結論から言うと、2026年11月時点で「この車種は買ってはいけない」と根拠を持って名指しできるSUVは確認できませんでした。後悔の原因になりやすいのは車種そのものより、自宅の駐車場、走行距離、乗車人数、走る道と車の性格が合っていないことです。この記事では、後悔しやすいSUVを6つのタイプに分け、契約前に確認したい数字と見極め方を整理します。
「買ってはいけないSUV」を車種名で断定できる根拠は見当たらない
特定の車種を一律に避けるべきだと示す公的なデータは、今回の調査では確認できませんでした。自動車ライターによるMOTAの解説やカーセブンの解説でも、問題にされているのは車種名より、使い方と車の組み合わせです。
後悔の中身は株式会社AZWAYが2026年8月3日から9日に車の所有者309人へ行った調査から読み取れます。SUV所有者49人では「維持費が想定より高い」と「燃費が悪い」が目立ちました。ただしSUVの回答者は少数で、車種も分かれていないため、傾向を見る参考値として扱う必要があります。
| 後悔している点 | SUV所有者(49人) | 所有者全体(309人) |
|---|---|---|
| 維持費が想定より高い | 26.5% | 12.9% |
| 燃費が悪い | 24.5% | 12.0% |
| 車体サイズが合わなかった | 16.3% | 9.7% |
| 荷室・収納が足りない | 14.3% | 10.0% |
| 家族構成の変化に合わなくなった | 10.2% | 6.1% |
| 後悔している点はない | 38.8% | 41.1% |
複数回答のため合計は100%になりません。SUV所有者でも約4割は後悔がないと答えているので、SUVというだけで失敗しやすいとは言えません。編集部としては、維持費、燃費、サイズのように、買う前に数字で確かめられる項目が上位に並ぶ点に注目しています。
後悔しやすいSUVは6タイプ、当てはまる項目から順に確認したい
判断の軸は、車の評判ではなく自分の使い方とのズレです。次の表で当てはまるものがあれば、その車を候補から外す前に、該当する数字を確認してください。
| タイプ | 起きやすい不満 | 契約前に確認すること |
|---|---|---|
| 駐車環境に合わない | 駐車場に入らない、出し入れが負担 | 全高、全幅、重量と駐車場の制限値 |
| 維持費を見込んでいない | 燃料代や税金が想定より重い | 年間走行距離、市街地モード燃費、排気量 |
| 悪路性能が使い方に対して過剰 | 重さ、乗り味、取り回しが合わない | 車体構造と悪路を走る頻度 |
| 動力源が距離や充電環境に合わない | 価格差を回収できない、充電が不便 | 年間走行距離、短距離利用の割合、自宅充電の可否 |
| 人数や荷物に合わない | 後席や3列目、荷室が使いにくい | 実際に乗る人と積む荷物 |
| 中古車の状態確認が不足 | 故障、部品探し、装備の古さ | 整備記録、改造歴、運転支援の内容 |
当てはまっても、すぐに購入をやめる必要はありません。燃料代のように予算を見直せば受け入れられる問題もあります。一方で、駐車場の制限や毎日通る道幅は買った後に変えにくいため、優先して確認したい項目です。
自宅や勤務先の駐車場に入らないSUVは、性能がよくても日常で困る
機械式駐車場を使う人は、最初に全高を確認してください。くるまのニュースの取材記事では、機械式駐車場メーカーの担当者が、多くの設備は全高1,550mmまでの対応だと説明しています。全幅の一般的な目安は1,800〜1,850mm以下とされますが、実際の制限は駐車場ごとに異なります。
| 車種の例 | 全長×全幅×全高 | 全高1,550mm制限との差 |
|---|---|---|
| スズキ フロンクス | 3,995×1,765×1,550mm | 差0mmで余裕なし |
| トヨタ ヤリスクロス | 4,180〜4,200×1,765×1,590mm | 40mm超える |
| トヨタ ランドクルーザー250 VX(2.7L) | 4,925×1,980×1,925mm | 375mm超える |
数字を生活に置き換えると差がはっきりします。ランドクルーザー250 VXはヤリスクロスより全長が最大で745mm、全幅が215mm、全高が335mm大きく、最小回転半径もヤリスクロス18インチ車の5.3mに対して6.0mです。もちろん悪路走破性や乗車定員など得られるものも違うため、どちらが優れているという話ではありません。狭い住宅街や立体駐車場を毎日使う人ほど、この差を負担に感じやすくなります。
駐車場の可否は、管理会社が示す制限値で確認する
カタログの全高だけでは判断できません。ベストカーWebの解説が指摘するように、機械式駐車場には全幅、全長、タイヤ外幅、車両重量、最低地上高などの条件もあります。ルーフレールや社外のルーフキャリアで高さが変わる場合もあるため、グレードと装備を決めた後に、車検証やカタログの数値を管理会社へ確認すると安心です。
毎日通る場所で、すれ違いと切り返しを想像する
自宅前の道路、子どもの送迎先、よく行くスーパーの駐車場を思い浮かべてください。試乗コースが広い道中心だと、こうした場面の負担は分かりにくいものです。幅が気になる場合は、候補車の全幅を自宅の駐車スペースに当てはめ、ドアを開ける余裕まで測っておくと判断しやすくなります。
年間1万km走ると、燃費の差だけで燃料代は約6万円から約23万円まで開く
SUVの維持費で最も差が出やすいのは燃料代です。次の表は、2026年10月13日調査のレギュラーガソリン全国平均である1Lあたり約170円を使い、年間1万km走った場合を編集部で試算したものです。実際の燃料代は使い方や燃料価格で変わります。
| 想定 | WLTCモード燃費 | 年間燃料代の目安 |
|---|---|---|
| ヤリスクロス ハイブリッド(18インチ・2WD) | 27.8km/L | 約6.1万円 |
| 仮にWLTC 15km/LのSUVの場合 | 15.0km/L | 約11.3万円 |
| ランドクルーザー250 VX(2.7Lガソリン) | 7.5km/L | 約22.7万円 |
数値は各車のカタログ値をそのまま当てはめた計算です。車の大きさも用途も異なる2台を並べているのは優劣を付けるためではなく、SUVという同じ呼び名でも、維持費の前提が大きく変わることを示すためです。
街乗り中心ならWLTCだけでなく市街地モードを見る
メーカーの諸元表にはWLTCの総合値に加えて市街地モードの燃費も載っています。ランドクルーザー250 VXの市街地モードは5.7km/Lで、年間1万kmなら同じ条件で約29.8万円です。ヤリスクロス ハイブリッド(18インチ・2WD)は市街地モード29.0km/Lで、約5.9万円となります。短距離や渋滞が多い人は、総合値より市街地モードで試算した方が実態に近づきます。前述の調査でも、街乗りの燃費がカタログと開いたという声が寄せられていました。
排気量と車齢で毎年の税額も変わる
2019年10月1日以降に初回新規登録した自家用乗用車の場合、自動車税は排気量ごとに次の年額です。
| 総排気量 | 年税額 |
|---|---|
| 1L超1.5L以下 | 30,500円 |
| 1.5L超2L以下 | 36,000円 |
| 2L超2.5L以下 | 43,500円 |
| 2.5L超3L以下 | 50,000円 |
| 3L超3.5L以下 | 57,000円 |
中古車では、新車登録から13年を超えるガソリン車、11年を超えるディーゼル車は概ね15%重くなるため、車齢も確認してください。購入時の環境性能割は2026年3月31日で廃止されました。一方、重い車への課税強化なども2026年末に検討が本格化する見通しと報じられています。内容は確定していないため、重量のあるSUVを長く保有する人は今後の税制改正を確認しておきたいところです。タイヤや車検も含めた総額は、車種クラスと走行距離で計算する維持費シミュレーションで整理できます。
悪路を走らないのに本格オフローダーを選ぶと、重さと乗り味に不満が出やすい
普段が舗装路中心なら、見た目だけで本格オフローダーを選ぶのは慎重に考えたい選択です。SUVには大きく分けて、はしご状のフレームを持つラダーフレーム車と、ボディと骨格が一体のモノコック車があります。MOTAの解説では、前者は悪路と耐久性に強く、後者は舗装路での快適性や室内の広さに強いと整理されています。
毎週のように林道を走る、荷物を積んで未舗装路へ入るといった用途なら、ラダーフレーム車の強みは大きな価値になります。通勤と買い物が中心で、悪路を走るのが年に数回以下なら、モノコックのSUVの方が日常の満足度は高くなる可能性があります。雪道が心配な人も、本格オフローダーが必須とは限りません。走る地域の積雪量を踏まえ、4WDの有無と冬用タイヤをセットで検討してください。
もっとも、数字に表れない「好きな形の車に乗る満足感」も車選びの大切な要素です。乗り味や燃料代を理解したうえで選ぶなら、それは失敗とは言えません。後悔につながるのは、弱点を知らないまま買うことです。
ディーゼル・PHEV・EVは、走行距離と充電環境で評価が変わる
動力源は「燃費がよいか」より、価格差を回収できるか、自分の環境で使いやすいかで判断します。MOTAの解説は、一般的な走行距離では軽油の安さだけで車両価格差を取り戻すのは難しいと指摘しています。カーセブンの解説も、街なかの短距離移動が多い人にディーゼルは向きにくいとしています。
確認方法は単純です。価格差を、年間の燃料代の差で割ると回収年数の目安が出ます。たとえば車両価格差が30万円、燃料代の差が年3万円なら約10年です。この例の金額は説明用の仮定なので、実際の見積もりと自分の走行距離に置き換えて計算してください。保有予定が5年なら、燃料代だけでは回収できない計算になります。静かさや加速に価値を感じるかどうかも含めて判断するとよいでしょう。
PHEVとEVは、自宅で充電できるかどうかで使い勝手が大きく変わります。集合住宅で充電設備を設置しにくい場合、外出先の充電に頼ることになります。契約前に、管理組合の規約と近隣の充電設備を確認してください。補助金も年度や車種で変わるため、最新の交付条件は公式情報で確かめる必要があります。
3列SUVをミニバン代わりにするなら、3列目の使用頻度で判断したい
3列目を頻繁に使うなら、まずミニバンと比べてください。カーセブンの解説でも、3列目への乗り降りはスライドドアで床の低いミニバンの方が楽だとされています。子どもが自分で乗り込む場面や、高齢の家族を乗せる場面を想定すると差が分かりやすくなります。
3列目が年に数回の予備席で、普段は荷室を広く使いたいなら3列SUVは現実的な選択肢です。2列SUVでも、コンパクトクラスは大人が後席で長距離移動するとゆとりが少ない場合があります。チャイルドシートを付ける人はベビーカーも一緒に載るか、キャンプやゴルフが目的の人は普段の荷物が入るかを、できれば実物で確かめてください。
前述の調査で「家族構成の変化に合わなくなった」と答えたSUV所有者は10.2%でした。数年以内に子どもの誕生や親の送迎が予想されるなら、現在の人数だけで決めない方が安心です。
中古SUVは価格の安さより、年式・改造歴・整備記録を優先して確認する
中古SUVで避けたいのは、状態が読み取れないまま安さで選ぶことです。特に確認したいのは次の3点です。
- 運転支援の内容:年式で性能差が大きいため、対応速度や検知対象を販売店で確認する
- 改造歴:カーセブンの解説は、極端なカスタム車に下回りの傷みや車検に通らない仕様の例があると注意している
- 整備記録:定期点検整備記録簿の有無と、消耗品の交換時期を確認する
長く販売されている人気SUVには、かなり古い個体も流通しています。古い車は故障リスクが上がり、部品が見つかりにくい場合もあります。前述の調査の自由記述でも、中古車の下回りのサビや、部品の入手しやすさを確認すればよかったという声が挙がっていました。未舗装路や海沿い、降雪地で使われていた可能性がある車は、リフトアップして下回りを確認してもらえるか、販売店に聞いてみてください。
短い試乗で分かりにくい不満は、数日以上の生活で確かめる
駐車の負担や実燃費は、短時間の試乗だけでは判断しにくいものです。前述の調査では、購入前にもっと確認すればよかったこととして「試乗(高速・長距離含む)」が13.9%、「実際の駐車場・道路でのサイズ感」が10.4%挙がりました。自由記述には、レンタカーで複数の車種を乗り比べてから買ったため後悔がないという40代女性の声もあります。
| 確認方法 | 確かめやすいこと | 注意点 |
|---|---|---|
| 販売店の試乗 | 候補車そのものの乗り味と装備 | 時間と走行ルートに限りがある |
| 1日〜数日の短期レンタカー | 特定の車種での週末利用 | 取り扱い車種と店舗は会社ごとに異なる |
| 1週間〜1ヶ月の長期レンタカー | 近いサイズの車での通勤、送迎、駐車 | 車種を選べない場合があり、候補車の試乗の代わりにはならない |
通勤や送迎まで含めて確かめたい場合は、マンスリーゴーの料金プランも選択肢の一つです。2026年11月5日時点の料金ページでは、SUVに近いクラスとして輸入車SUV(MINIクロスオーバー)が1週間43,890円、1ヶ月(30日)148,500円、SUVミニバン・4WD(デリカD:5)が1週間40,810円、1ヶ月125,400円(いずれも税込)で掲載されています。
ただし、車両はクラス単位の案内で車種指定はできず、国産のコンパクトSUVやミドルSUVの専用クラスは掲載されていません。通常クラスは2010〜2015年式前後が中心のため、最新の運転支援や新型車の乗り味を確かめる用途には向きません。幅や車高のある車を生活で扱えるかを確かめる目的で使い、候補車そのものは販売店で試乗する、という分け方が現実的です。走行距離は30日で3,000kmまで(プレミアム車両は1,000km)で、超過分は1kmあたり22円(税込)かかります。
SUVを買ってよい人と見送った方がよい人の線引き
SUVの価値を日常で使い切れるかどうかが分かれ目です。次の条件を目安にしてください。
| 買ってよい人 | いったん見送りたい人 |
|---|---|
| 駐車場の制限値を確認し、候補車が収まる | 駐車場の可否をまだ確認していない |
| 燃料代と税金を含む年間総額が予算内 | 月々の支払いしか計算していない |
| 雪道、キャンプ、荷物の多さなど使う場面が具体的 | 見た目以外の理由が思い当たらない |
| 弱点を理解したうえで、形や乗り味が気に入っている | 3列目を頻繁に使うのにミニバンと比べていない |
見送りたい人の欄に当てはまっても、確認すれば解消できる項目は多くあります。すべて確認できたら、車種ごとの弱点を比較する段階です。新型ハリアーで後悔しやすい人の共通点、新型フォレスターの不満と確認ポイント、新型ヴェゼルの不満点、新型エクストレイルの弱点、カローラクロスで後悔しやすい理由も参考にしてください。SUV以外も含めて考えるなら、買って後悔しやすい車の10タイプが役立ちます。
買ってはいけないSUVでよくある質問
燃費が悪いSUVは買ってはいけませんか?
燃費が悪いという理由だけで避ける必要はありません。年間走行距離が短ければ燃料代の差は小さくなり、悪路性能や積載性の価値が上回ることもあります。自分の走行距離で年間の金額に直して判断してください。
機械式駐車場に入るSUVはありますか?
全高1,550mm以下のSUVはあり、フロンクスはその一例です。ただし全幅、タイヤ外幅、重量などの条件もあるため、全高だけでは入庫できるとは言い切れません。購入前に駐車場の管理者へ確認してください。
街乗りだけなら2WDのSUVでも問題ありませんか?
雪道や滑りやすい坂道を走る機会が少なければ、2WDは合理的な選択です。積雪地域や冬のレジャーが多い場合は、4WDと冬用タイヤの組み合わせを検討してください。同じ4WDでも車種によって仕組みと得意な路面が異なります。
輸入車のSUVは避けた方がよいですか?
輸入車という理由だけで避ける必要はありません。編集部としては、保証の範囲、近隣の修理拠点、消耗品の費用を購入前に確認することをおすすめします。中古車の場合は、保証の有無と整備記録の内容で安心感が大きく変わります。
SUV選びで迷っている間に車が必要なときの考え方
買ってはいけないSUVは車種名で決まるものではなく、自分の使い方に合うかどうかで決まります。駐車場の制限値、年間総額、悪路を走る頻度、人数と荷物を確認すれば、見た目で選んでも後悔する可能性は下げられます。
結論を急がず検討したい人や、購入までの間だけ車が必要な人は、マンスリーゴーのクラス別料金を確認し、LINEで空車状況を相談してみてください。1週間または月単位で利用でき、任意保険と定期メンテナンスを含む料金体系で、カーリースのような与信審査は原則不要です。契約はオンラインで完結し、配車と引取にも対応しています。23歳以上で免許取得から3年以上などの利用条件があるほか、配車料金は場所や距離で異なります。事故時の負担は保険・補償の内容をご確認ください。

