車検で代車を借りられるかどうかは、入庫先が代車用の車両を持っているかで決まります。ディーラーや規模の大きい整備工場であれば無料で借りられることが多い一方、代車を持たない工場ではレンタカーを紹介され、費用は自己負担になります。代車の提供は法律上の義務ではないため、同じメーカーの系列店でも扱いが異なります。
この記事では、車検の入庫先ごとの代車事情、車検にかかる日数が工場の種類でどう変わるか、そして代車を借りられなかったときにどう車を確保するかを整理します。記載内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。
車検で代車を借りられるかは、入庫先の種類でほぼ決まる
代車の有無は、どこに車検を出すかでほぼ決まります。代車用の車両を常時抱えているかどうかが分かれ目で、店舗の規模と業態によって傾向がはっきり分かれます。
| 入庫先 | 代車の傾向 | 注意点 |
|---|---|---|
| ディーラー | 用意されていることが多い | 台数に限りがあり予約が必要 |
| 大手カー用品店 | 店舗により対応が分かれる | 当日作業なら代車不要の場合もある |
| ガソリンスタンド併設の整備工場 | 台数が少ないことが多い | 繁忙期は確保が難しい |
| 町の整備工場 | 1〜2台を回していることが多い | 先着順になりやすい |
| ユーザー車検 | 代車なし | 自分で運輸支局へ持ち込む |
車検の見積もりを取る段階で「代車は用意できるか」「無料か有料か」「何日まで借りられるか」の3点を聞いておくと、あとの調整が楽になります。代車の有無は見積書に書かれないことが多いため、口頭で確認するしかありません。
指定工場か認証工場かで、車を預ける日数が変わる
代車が必要な日数は、入庫先が指定工場か認証工場かで変わります。国土交通省の認証工場と指定工場の違いによると、指定工場は工場内で点検整備と検査を完結でき、保安基準適合証を運輸支局に提出することで車両の持ち込みを省略できます。一方の認証工場は、工場が車両を運輸支局や自動車検査登録事務所へ持ち込んで検査を受けます。
つまり指定工場なら移動と持ち込みの時間が発生せず、その日のうちに終わることもあります。認証工場の場合は運輸支局の受付時間に合わせる必要があるため、預ける日数が長くなりやすく、そのぶん代車が必要な期間も延びます。整備の質の話ではなく、検査をどこで行うかという設備の違いです。
見積もりのときに「こちらは指定工場ですか」と聞けば答えてもらえます。代車が確保できるかどうか微妙な状況であれば、預ける日数が短い指定工場を選ぶという判断もあります。
3月と9月は代車が埋まりやすく、早めの予約でないと確保できない
代車を確実に確保したいなら、車検満了日の1ヶ月前には予約を入れてください。新車登録が集中する3月と9月は、その2年後・3年後に車検も集中します。整備工場の代車は台数が固定されているため、この時期は先に予約した人から埋まります。
車検は有効期間の満了日より前から受けられ、早めに受けても次回の満了日が前倒しになるわけではない期間が設けられています。繁忙期を避けて2月中に済ませる、あるいは満了日ぎりぎりを狙わないというだけで、代車の確保しやすさは変わります。
逆に避けたいのは、満了日を過ぎてしまうことです。車検が切れた車は公道を走れないため、工場へ持ち込む段階で仮ナンバーの手続きが必要になります。すでに切れている場合の手順は車検切れに気づいたら?今すぐ乗れる代車・レンタカーの選び方で解説しています。
代車が無料でも、ガソリン代と有料道路代は借りた側の負担になる
無料の代車でも、使用にともなう実費は借りた側が負担するのが一般的です。ガソリン代、有料道路の通行料、駐車料金、駐車違反の反則金はいずれも利用者負担になります。
返却時の給油ルールは入庫先によって違います。満タンで貸し出して満タンで返す方式もあれば、預かった時点の残量のまま返す方式もあります。曖昧なまま返却すると給油代を請求されることがあるため、鍵を受け取るときに確認しておいてください。
あわせて、貸出時の車体の傷も写真に残しておくと安心です。返却時に覚えのない傷を指摘されたときに、いつからあったものかを説明できます。代車全般の注意点は代車とは?無料になる条件と借りられる期間の目安にまとめています。
代車で事故を起こした場合は、代車に付いている保険が先に使われる
代車で事故を起こしたときは、まず代車そのものに付帯している保険が適用されます。自分の任意保険の他車運転特約は補助的な位置づけです。ソニー損保の他車運転特約の解説でも、修理工場が提供する代車での事故は、代車に付帯する保険でカバーできない場合に他車運転特約が機能すると説明されています。
そのため、代車にどの範囲の保険が付いているのか、対物や車両の免責額はいくらなのかは、借りる前に確認しておく必要があります。車検の相談に気を取られて確認を飛ばしやすい部分ですが、事故が起きてからでは選択の余地がありません。
車検の入庫は、保険のレンタカー費用特約の対象外になりやすい
代車の代わりにレンタカーを使う場合、その費用は原則として自己負担です。任意保険のレンタカー費用特約は、事故や故障で車が走行不能になった場合を対象としているためです。三井住友海上のレンタカー費用特約でも、支払われるのは事故で契約車が使用できなくなった場合や、故障・バッテリー上がり等で走行不能となった場合とされています。
車検は予定された入庫であり、走行不能になったわけではありません。そのため車検期間中のレンタカー費用は特約の対象外とされるのが一般的です。ここを勘違いしたまま高いクラスを借りると、あとから全額自己負担になります。約款の支払事由を確認してから借りるクラスを決めてください。
一方、車検の際に整備が必要と判明し、その修理で走行不能の状態が続くようなケースでは、特約が使える可能性があります。判断は保険会社によるため、該当しそうな場合は入庫先ではなく保険会社に直接確認するのが確実です。
代車を確実に押さえるには、見積もり・予約・確認の3段階で聞く
代車を確保できるかどうかは、聞くタイミングで結果が変わります。次の3段階に分けて確認しておくと、直前で「代車が用意できません」と言われる事態を避けやすくなります。
| タイミング | 確認すること | 目的 |
|---|---|---|
| 見積もりのとき | 代車の有無、無料か有料か、指定工場かどうか | 入庫先を選ぶ判断材料にする |
| 予約のとき | 貸出日と返却日、延長できるか | 台数を押さえる |
| 入庫の前日 | 代車が確保されているか、受け渡し時刻 | 直前のキャンセルや行き違いを防ぐ |
特に効くのは前日の確認です。代車は前の利用者の返却が遅れると玉突きで空かなくなります。前日に一度連絡を入れておけば、確保できていない場合でも代替手段を探す時間が半日から1日は生まれます。
あわせて、車検の見積もりが想定より高額だった場合に備えて、支払い方法も確認しておくと落ち着いて判断できます。費用面で迷ったときの考え方は車検費用が払えない・高い場合の対処法で整理しています。
代車を借りられなかったときに取れる4つの手段
代車が確保できなかった場合、選択肢は預ける日数によって変わります。1日で終わるなら公共交通や送迎でしのげますが、整備の内容によっては数日から数週間かかることもあります。
| 預ける日数 | 現実的な手段 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 当日中 | 公共交通・家族の送迎 | 交通費のみ |
| 1〜3日 | 日単位のレンタカー | クラスと日数による |
| 1週間前後 | 週単位のレンタカー | 軽ミニクラスで17,500円(税込19,250円)から |
| 2週間以上 | 月単位のレンタカー | 軽ミニクラスで26,400円(税込29,040円)から |
部品の取り寄せが必要な整備や、車検と同時に板金修理を行う場合は、当初の見込みより長引くことがあります。予定が読めないうちは日単位で借り、長引くと分かった時点で週単位や月単位に切り替えるという進め方が無駄になりにくい方法です。
マンスリーゴーは1週間または月単位で利用できる長期専門のレンタカーサービスで、任意保険・車検・定期メンテナンス・ETC車載器が料金に含まれます。カーリースのような与信審査は原則不要で、契約はオンラインで完結します。走行距離は30日で3,000kmまで、超過分は1kmにつき22円(税込)です(2026年8月時点)。
なお、車検を通すかどうか自体を迷っている場合もあります。走行距離が10万kmを超えている、前回の車検で交換を勧められた部品が残っている、次の2年で大きな出費が見込まれるといった条件が重なると、車検を通すより乗り換えたほうが総額で安くなることがあります。その場合も、判断している間の移動手段は必要です。代車は入庫が前提のサービスなので、まだ入庫していない段階では借りられません。判断の期間だけ車を確保する手段として、週単位や月単位のレンタカーを検討することになります。
もうひとつ見落とされやすいのが、代車の任意保険の年齢条件です。代車に付いている保険が21歳以上補償や26歳以上補償に設定されている場合、それより若い家族が運転すると補償の対象外になります。同居の家族が運転する可能性があるなら、年齢条件と運転者の範囲を借りる前に確認してください。無料の代車ほど、この条件が絞られていることがあります。
車検で代車が必要な人と、代車がなくても困らない人
代車を用意する必要があるかどうかは、預ける日数と、その間の移動が代替できるかで判断できます。整理すると次のようになります。
| 状況 | 代車の必要度 | 理由 |
|---|---|---|
| 毎日車で通勤している | 必要 | 1日でも空くと出勤手段がなくなる |
| 子どもの送迎を担当している | 必要 | 時間が固定されており代替が難しい |
| 仕事で車を使っている | 必要 | 業務が止まる |
| 週末しか車に乗らない | 低い | 平日に入庫すれば影響が出にくい |
| 公共交通で通勤している | 低い | 買い物などは代替が利く |
週末しか乗らないのであれば、平日に指定工場へ入庫して当日中に受け取るという組み立てで代車なしに済ませられます。一方、通勤や送迎で毎日使っている場合は、代車が確保できるかどうかを入庫先選びの条件に入れたほうが確実です。
判断がつかないときは、入庫先に「代車が確保できなかった場合はどうなりますか」と一度聞いてみてください。提携するレンタカー会社を紹介してもらえるのか、日程をずらして再調整するのか、対応の選択肢が分かれば準備の仕方も決まります。代車ありきで予定を組んでしまうと、直前に確保できなかったときに動けなくなります。
車検の代車についてよくある質問
車検の代車は無料ですか
入庫先によります。ディーラーや代車用の車両を持つ整備工場では無料のことが多い一方、代車を持たない工場ではレンタカーを紹介され費用は自己負担になります。無料の場合でも、ガソリン代や有料道路代は借りた側の負担になるのが一般的です。
車検で車を預ける日数はどれくらいですか
工場内で検査まで完結できる指定工場であれば当日中に終わることもあります。運輸支局へ持ち込む認証工場の場合は、支局の受付時間に合わせる必要があるため日数が長くなりやすくなります。整備の内容や部品の取り寄せが加わると、さらに延びることがあります。
代車の車種は選べますか
選べないことがほとんどです。代車はその時点で空いている車両が割り当てられるため、普段より小さい車になることがあります。チャイルドシートを付ける必要がある場合や、荷物を積む予定がある場合は、予約時に用途を伝えておくと配慮してもらえることがあります。
車検が長引いて代車の返却を求められたらどうすればいいですか
まず加入中の任意保険にレンタカー費用の特約が付いていないか確認してください。特約があれば日額と日数の範囲で費用が補償されます。特約がない場合や、修理が1ヶ月を超えそうな場合は、日単位で借り続けるより週単位や月単位のレンタカーに切り替えるほうが総額を抑えやすくなります。
車検の期間だけ車を確保したい方へ
マンスリーゴーは、1週間または月単位で利用できる長期専門のレンタカーサービスです。任意保険・車検・定期メンテナンス・ETC車載器が料金に含まれ、カーリースのような与信審査は原則不要、契約手続きはオンラインで完結します。代車が確保できなかったときや、整備が長引いたときの受け皿としてご利用いただけます。
ご利用には23歳以上、免許取得から3年以上などの条件があり、車種の指定はできず車両クラスでのご案内となります。車両クラス別の料金、保険・補償の内容、利用の流れをご確認のうえ、マンスリーゴーまでお問い合わせください。料金・在庫・補償・配車条件は変更される場合があります。

