代車とは、修理や車検で自分の車を預けている間、入庫先が貸してくれる車のことです。無料で借りられるかどうかは入庫先の方針次第で、法律で義務づけられたものではありません。借りられる期間も数日から2週間程度が目安で、修理が長引くと途中で返却を求められることがあります。
この記事では、代車とレンタカーの制度上の違い、無料になる条件、ガソリンや保険の扱い、そして代車が用意できないときや期間が足りないときの選択肢までを整理します。記載内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。
代車は入庫先が無償で貸す車で、有償で貸すレンタカーとは制度が違う
代車とレンタカーの最も大きな違いは、有償かどうかです。代車はディーラーや整備工場が入庫のサービスとして無償で貸すことが多く、自家用ナンバーのまま貸し出されます。一方レンタカーは有償で車を貸す事業のため、事業者の許可を受けた「わ」または「れ」ナンバーの車両が使われます。
| 項目 | 代車 | レンタカー |
|---|---|---|
| 料金 | 無料または1日数百円〜数千円 | 有料(クラス・期間で変動) |
| ナンバー | 自家用ナンバー | 「わ」「れ」ナンバー |
| 借りられる期間 | 数日〜2週間程度が目安 | 数時間〜数ヶ月 |
| 車種 | 選べないことが多い | クラスを指定できる |
| 用意される条件 | 入庫していることが前提 | 誰でも申し込める |
この違いは、トラブルが起きたときの責任の所在にも関わります。代車は入庫先の車を借りている状態なので、事故や傷の扱いは入庫先との取り決めによります。レンタカーは事業者が定めた約款と補償制度が適用されます。どちらを使っているのかを意識しておくと、返却時に慌てずに済みます。
代車が無料になるのは、入庫先が自社の車両を貸し出せる場合に限られる
代車が無料になるかどうかは、入庫先が代車用の車両を保有しているかで決まります。無料で貸してもらえるのは、ディーラーや規模の大きい整備工場など、代車用の車を確保している店舗です。代車を持たない工場では、提携するレンタカー会社を紹介され、その費用は自己負担になります。
代車の提供は法律上の義務ではないため、同じメーカーのディーラーでも店舗によって扱いが違います。無料の場合でも、ガソリン代、有料道路代、駐車違反の反則金は借りた側の負担になるのが一般的です。また、台数に限りがあるため、車検の繁忙期である3月や、連休前後は予約が埋まりやすくなります。
入庫の予約をするときに「代車は無料か」「何日まで借りられるか」「延長できるか」の3点を先に確認しておくと、あとから想定外の請求や返却依頼を受けずに済みます。
借りられる期間は数日から2週間程度が目安で、修理が長引くと返却を求められる
代車を借りられる期間は、車検であれば1日から3日、板金修理であれば1週間から2週間程度が目安です。入庫先は限られた台数を次の入庫客と回しているため、修理が長引いた場合に「次の予約が入っているので返却してほしい」と依頼されることがあります。
期間が読めなくなりやすいのは、部品の取り寄せに時間がかかるケースです。輸入車や生産終了から年数が経った車種では、部品の入荷待ちで修理そのものが止まることがあります。エンジンやミッションなど主要部分の故障で修理か乗り換えかを迷っている場合も、判断に時間がかかるぶん代車の期間を超えやすくなります。判断の考え方はエンジン故障で廃車寸前|修理と乗り換えの判断基準で整理しています。
事故の被害者になった場合は、相手方の保険から代車費用が支払われることがある
もらい事故で自分の過失がない場合、修理期間中の代車費用は相手方の保険会社に請求できることがあります。ただし支払われるのは「修理に通常必要と認められる期間」に限られ、その間の車両クラスも実用上必要な範囲とされるのが一般的です。過失割合がある場合は、その割合に応じて自己負担が生じます。
相手方保険会社との交渉は、代車を借り始める前に進めておくのが確実です。先に高額な車両を長期間借りてしまうと、あとから認められる範囲を超えた分が自己負担になります。借りる前に、想定される修理期間と1日あたりの上限額を保険会社に確認しておいてください。
自分の任意保険にレンタカー費用の特約が付いていれば、日額と日数の範囲で使える
代車が用意できない場合でも、加入中の任意保険に特約が付いていれば費用を抑えられます。三井住友海上のレンタカー費用特約を例にすると、条件は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 保険金日額 | 5,000円〜20,000円の範囲で1,000円単位で設定 |
| 支払限度日数(事故) | 最大30日 |
| 支払限度日数(新車買替時) | 最大90日 |
| 支払限度日数(故障・走行障害等) | 最大15日 |
注意したいのは、故障や走行障害の場合は最大15日と短いことです。バッテリー上がりのようにジャンピング作業で復旧した場合は、走行不能に当たらないため対象外とされています。日数の上限を超えた分は自己負担になるため、修理に1ヶ月以上かかりそうなときは、上限を超えたあとをどうするかまで含めて考えておく必要があります。
特約の名称や条件は保険会社ごとに異なります。「代車費用特約」「レンタカー費用アシスト」など呼び方も違うため、証券や約款で自分の契約内容を確認してください。
代車で事故を起こしたときは、代車に付いている保険が先に使われる
代車で事故を起こした場合、まず適用されるのは代車そのものに付帯している保険です。自分の任意保険の他車運転特約は、その次に補助的に働きます。ソニー損保の他車運転特約の解説でも、修理工場が提供する代車での事故は、代車に付帯する保険でカバーできない場合に他車運転特約が機能すると説明されています。
もうひとつ注意したいのが、他車運転特約は一時的な借用を前提としている点です。同じ解説では、継続的に使用している場合は対象外とされています。代車を数ヶ月にわたって借り続けるような使い方は、想定されている範囲から外れる可能性があります。長期になりそうな場合は、代車ではなく契約が明確なレンタカーに切り替えるほうが、補償関係はすっきりします。
返却時の傷をめぐるトラブルも起きやすい部分です。借りる時点で車体の傷を写真に撮っておくと、覚えのない傷を指摘されたときに説明しやすくなります。
代車が用意できない、期間が足りないときは月単位のレンタカーが選択肢になる
代車が空いていない、あるいは修理が1ヶ月を超えるという状況では、月単位で借りられるレンタカーが現実的な選択肢になります。日単位のレンタカーを延長し続けるより、1日あたりの負担が下がりやすいためです。
マンスリーゴーは1週間または月単位で利用できる長期専門のレンタカーサービスで、軽ミニクラスは月額26,400円(税込29,040円)からです。任意保険・車検・定期メンテナンス・ETC車載器が料金に含まれ、カーリースのような与信審査は原則不要、契約はオンラインで完結します。走行距離は30日で3,000kmまで、超過分は1kmにつき22円(税込)です(2026年8月時点)。
車検切れで公道を走れない状態から車を用意する場合は車検切れに気づいたら?今すぐ乗れる代車・レンタカーの選び方、リコール対応で預ける場合はリコール修理中の代車は無料?もあわせてご確認ください。修理か買い替えかを迷っている段階であれば買い替えか修理か迷っている間の移動手段が参考になります。
返却時にもめやすいのは、傷・ガソリン・返却期限の3点
代車で実際にトラブルになりやすいのは、傷の有無、ガソリンの残量、返却期限の3点です。いずれも貸出時に確認しておけば防げるものばかりですが、修理の相談に気を取られて確認を省いてしまうことが少なくありません。
| もめやすい点 | 起きること | 借りる時にできること |
|---|---|---|
| 傷 | 覚えのない傷の修理費を求められる | 前後左右とバンパーを写真に撮り、日時を残す |
| ガソリン | 満タン返却と知らずに返し、給油代を請求される | 貸出時の残量と返却ルールを口頭で確認する |
| 返却期限 | 修理が延びたのに代車だけ先に返却を求められる | 延長の可否と、延長できない場合の代替手段を聞く |
写真は数十秒で撮れます。貸出の手続きが終わって車に乗り込む前に、車体を一周しながら撮っておくだけで、返却時の説明がまったく変わります。喫煙やペットの同乗が禁止されている場合もあるため、条件があるかどうかもこのタイミングで聞いておくと確実です。
修理が1ヶ月を超えるなら、保険特約より月単位のほうが総額を抑えやすい
費用の考え方は、必要な日数で切り替わります。保険のレンタカー費用特約は日額いくらという形で補償されるため、日数の上限内であれば有利です。一方、上限を超える期間は全額自己負担となり、日単位のレンタカーを延長し続けると割高になります。
| 必要な期間 | 現実的な手段 | 費用の考え方 |
|---|---|---|
| 数日〜2週間 | 入庫先の代車 | 無料またはガソリン代のみ |
| 2週間〜1ヶ月 | 保険の特約+日単位のレンタカー | 特約の日額と支払限度日数の範囲内で補償 |
| 1ヶ月以上 | 月単位のレンタカー | 月額固定。軽ミニクラスは1日あたり約968円(税込) |
マンスリーゴーの軽ミニクラスは月額29,040円(税込)で、30日で割ると1日あたり約968円です。特約の日額上限が5,000円だとすると、上限日数を使い切ったあとに同じ水準の車を日単位で借り続けるより、月単位に切り替えるほうが負担は小さくなります。ただし配車を依頼する場合は配車・引取の料金が別途かかるため、総額で比べてください。
修理そのものを続けるべきかを迷っている場合は、費用の比較だけで決めないほうが結果的に安く収まることがあります。修理代が車両価値を上回りそうなときの考え方は古い車の修理代が高すぎる…修理すべきか乗り換えるべきかで整理しています。
代車を借りる前に確認しておきたい5項目
入庫の予約時に次の5点を確認しておくと、返却時のトラブルと想定外の出費をほぼ防げます。
| 確認項目 | 確認しておくこと |
|---|---|
| 料金 | 無料か有料か、有料なら1日あたりいくらか |
| 貸出期間 | 何日まで借りられるか、延長できるか |
| ガソリン | 満タン返却か、現状返却か |
| 保険 | 代車にどの範囲の保険が付いているか、免責額はいくらか |
| 傷の扱い | 貸出時の傷の記録方法と、返却時の判断基準 |
特に保険と傷の扱いは、口頭の説明だけだと認識がずれやすい部分です。書面で受け取れるなら受け取り、難しければ貸出時の車体写真だけでも残しておいてください。
代車についてよくある質問
代車は必ず無料で借りられますか
無料とは限りません。代車の提供は法律上の義務ではなく、入庫先が代車用の車両を保有しているかどうかで決まります。代車を持たない工場ではレンタカーを紹介され、その費用は自己負担になります。無料の場合でも、ガソリン代や有料道路代は借りた側の負担になるのが一般的です。
代車は何日まで借りられますか
車検で1日から3日、板金修理で1週間から2週間程度が目安です。入庫先は限られた台数を次の予約客と回しているため、修理が長引くと返却を求められることがあります。期間が読めない修理の場合は、予約時に延長の可否を確認しておいてください。
代車を借りている間、自分の任意保険はどうなりますか
代車で事故を起こした場合は、まず代車に付帯している保険が適用され、それでカバーできない部分に他車運転特約が働きます。ただし他車運転特約は一時的な借用が前提のため、長期間の継続使用は対象外とされることがあります。数ヶ月にわたる場合は、契約内容が明確なレンタカーに切り替えるほうが確実です。
代車を借りられないと言われたらどうすればいいですか
まず加入中の任意保険にレンタカー費用の特約が付いていないか確認してください。特約があれば日額と日数の範囲で費用が補償されます。特約がない場合や日数の上限を超える場合は、日単位のレンタカーと月単位のレンタカーを比べ、必要な期間に合うほうを選ぶことになります。
修理や車検が長引きそうなときの車の確保について
マンスリーゴーは、1週間または月単位で利用できる長期専門のレンタカーサービスです。任意保険・車検・定期メンテナンス・ETC車載器が料金に含まれ、カーリースのような与信審査は原則不要で、契約手続きはオンラインで完結します。代車の期間が足りない、代車が空いていないという状況でご利用いただけます。
ご利用には23歳以上、免許取得から3年以上などの条件があり、車種の指定はできず車両クラスでのご案内となります。車両クラス別の料金、保険・補償の内容、よくある質問をご確認のうえ、マンスリーゴーまでお問い合わせください。料金・在庫・補償・配車条件は変更される場合があります。

