4ナンバーは荷物を運ぶことを主な目的にした小型貨物車、5ナンバーは人を運ぶことを主な目的にした小型乗用車です。同じ1.5Lのガソリン車で比べると、税金と自賠責保険を合わせた年間の法定費用は、4ナンバーの方が約1.7万円安くなります(2026年11月時点の編集部試算)。
ただし4ナンバーは、新車登録から2年後以降は毎年車検を受けます。整備費や手数料など、税金と自賠責保険を除く車検1回の費用が約3.5万円を超えると、この差はなくなる計算です。荷物を積む頻度と後席に人を乗せる頻度を軸に、どちらを選ぶべきかを整理します。
4ナンバーは荷物用、5ナンバーは人用で、税金と車検の差はその区分から生まれる
両者の出発点は、車体の大きさではなく用途の違いです。どちらも小型自動車の枠に収まる車ですが、4ナンバーは貨物車、5ナンバーは乗用車として登録されるため、税金の計算方法や車検の周期が変わります。主な違いは次のとおりです。金額は自家用、離島と沖縄県を除く地域、2026年11月時点の税込額です。
| 項目 | 4ナンバー(小型貨物) | 5ナンバー(小型乗用) |
|---|---|---|
| 主な用途 | 荷物の運搬 | 人の移動 |
| 自動車税の決まり方 | 定員、最大積載量、排気量 | 排気量 |
| 1.5Lの自動車税(年額) | 定員4人以上は14,300円 | 30,500円 |
| 重量税の基準 | 車両総重量 | 車両重量 |
| 車検の周期 | 初回2年、以降1年 | 初回3年、以降2年 |
| 自賠責保険 | 12か月 13,710円 | 24か月 18,560円 |
| 高速道路の車種区分 | 普通車 | 普通車 |
税額は栃木県の令和8年度税率早見表と神奈川県のリーフレット、自賠責保険料は金融庁の審議会資料に掲載された改定基準料率表で確認しました。5ナンバーの税額は、2019年10月1日以降に初回新規登録した車の金額です。
表だけを見ると4ナンバーが有利に見えますが、自賠責保険料を年額に直すと4ナンバーの方が高く、車検の回数も増えます。次の章以降で、見分け方、登録の条件、実際の差額の順に確認します。
自分の車はナンバーの数字と車検証の「用途」で見分けられる
見分け方で最も簡単なのは、ナンバープレートの地名の隣にある3桁の数字を見ることです。先頭が4または6なら小型貨物、5または7なら小型乗用です。6や7が割り当てられている場合もあるため、「400番台だけが4ナンバー」とは限りません。
確実に確認したい場合は、車検証で「用途」が貨物か乗用かを見てください。貨物車には最大積載量も記載されています。プロボックスのような商用バンは、外観が乗用のワゴンに近くても貨物登録です。トヨタの2026年9月版主要諸元表では、最大積載量と2名乗車時、5名乗車時の荷室寸法が併記されています。
車体の枠は共通で、道路運送車両法施行規則の別表第一により、長さ4.70m以下、幅1.70m以下、高さ2.00m以下です。ガソリン車などは総排気量2.00L以下も条件になり、軽油車と天然ガスのみを燃料とする車には排気量の条件がありません。この枠を超えると、貨物車は1ナンバー、乗用車は3ナンバーになります。
4ナンバーになるには荷室の広さと積載量の条件を満たす必要がある
4ナンバーは、荷物を積めれば名乗れる区分ではありません。国土交通省が公開している自動車の用途等の区分に関する通達では、貨物自動車の主な基準を次のように定めています。
- 物品積載設備を最大に利用したときの床面積が1m²以上あること
- 乗車設備を最大に利用した状態でも、残る荷室の床面積が乗車設備の床面積より大きいこと
- 同じ状態で積める貨物の重量が、乗車できる人員の重量より大きいこと
- 屋根と側壁で覆われた荷室は、縦横それぞれ800mm以上で投影面積0.64m²以上の積卸口を備えること
- 乗車設備と荷室の間に隔壁や保護仕切りなどがあること
最後の隔壁については例外があります。最大積載量500kg以下で乗員が座席の背もたれで荷物から保護される構造の車などは、隔壁がなくても基準を満たせます。後席付きの小型バンに、乗用車のような見た目の車があるのはこのためです。
判定の基準は車の構造です。荷物をあまり積まない使い方でも、登録された車が直ちに5ナンバーへ変わるわけではありません。反対に、5ナンバー車の座席を外すだけで貨物車として扱われるわけでもなく、用途を変えるには構造等変更の手続きが必要になることがあります。改造を考える場合は、部品を購入する前に整備工場や運輸支局へ確認してください。
自動車税は1.5L車で年16,200円の差があり、定員で金額が変わる
自動車税は4ナンバーが明確に安く、1.5L以下の車なら5ナンバーの30,500円に対して、定員4人以上の4ナンバーは14,300円です。差額は年16,200円です。4ナンバーの税額は、車検証の乗車定員と最大積載量で判定します。
- 大きい方の定員が4人以上の場合は、最大積載量に排気量の税率が加わる「貨客兼用車」の税額になります
- 大きい方の定員が3人以下の場合は、最大積載量で決まるトラックの税額になり、1トン以下なら年8,000円です
- 定員が2(5)人のように2段書きの車は、積載量の判定に最大乗車時の少ない方の数字を使います
たとえばプロボックスのガソリン車は定員2/5名、最大積載量400/250kg、排気量1.496Lなので、14,300円の区分に当たります。判定方法は埼玉県の税率表に例が掲載されています。後席のない2人乗りの4ナンバーなら8,000円まで下がりますが、その分だけ人を乗せる用途は限られます。なお、税額は都道府県の標準税率を基にしており、新車登録から一定年数を超えた車には重課があるため、古い車は納税通知書で確認してください。
法定費用は1.5L車の試算で4ナンバーが年17,470円安くなる
税金と自賠責保険をまとめると、4ナンバーの差額は自動車税の差より少し小さくなります。下の表は、1.5Lガソリン車を新規登録から13年未満で保有し、エコカー減免がない場合の編集部試算です。4ナンバーはプロボックスのガソリン2WDに近い条件、5ナンバーは車両重量1.5t以下の小型乗用車を想定しました。
| 年間の費用(税込) | 4ナンバー | 5ナンバー |
|---|---|---|
| 自動車税 | 14,300円 | 30,500円 |
| 自動車重量税(年換算) | 6,600円 | 12,300円 |
| 自賠責保険(年換算) | 13,710円 | 9,280円 |
| 合計 | 34,610円 | 52,080円 |
重量税は、国土交通省の2026年5月1日からの税額表で確認しました。4ナンバーは車両総重量2t以下の1年分で6,600円、5ナンバーは車両重量1.5t以下の2年分24,600円を半分にしています。プロボックスのガソリン2WDは車両総重量1,615kgのため、2t以下の区分です。
自賠責保険は唯一、4ナンバーの方が高い項目です。2026年11月1日以降に始まる契約では、小型貨物の12か月が13,710円、乗用車の24か月が18,560円で、年額に直すと差は4,430円です。契約期間ごとの基準料率は損害保険料率算出機構の基準料率表で確認できます。
この試算は条件で動きます。13年を経過した車の重量税は、同じ区分で4ナンバーが年8,200円、5ナンバーが2年で34,200円となり、18年経過後はさらに上がります。5ナンバーがエコカーの本則税率なら、重量税は2年で15,000円です。維持費全体の比較には、燃料代、駐車場代、任意保険も加えて考えてください。
毎年車検の費用を入れると、1回約3.5万円を境に差が消える
4ナンバーの弱点は車検の回数です。国土交通省の資料が示すとおり、車両総重量8トン未満の貨物車は初回2年、以降1年、自家用乗用車は初回3年、以降2年です。新車から10年間乗る場合、車検の回数は5ナンバーが3、5、7、9年目の4回、4ナンバーが2年目から9年目まで毎年の8回で、ちょうど2倍になります。
車検1回あたりの基本料、検査手数料、整備費の合計をX円とすると、年間の負担は4ナンバーがX円、5ナンバーがX÷2円です。差のX÷2円が17,470円を超えるのは、Xが34,940円を超えたときです。両方の車検費用が同額だと仮定した編集部の計算ですが、判断の目安には使えます。
| 車検1回の費用(税金・自賠責除く) | 車検費用の年間差 | 法定費用を含む差 |
|---|---|---|
| 2万円 | 10,000円 | 4ナンバーが7,470円安い |
| 3万4,940円 | 17,470円 | ほぼ同額 |
| 5万円 | 25,000円 | 5ナンバーが7,530円安い |
実際には、走行距離が多い車ほど整備費が増え、ディーラーと民間整備工場でも金額が変わります。また車検のたびに車を預ける時間も必要です。仕事で毎日使う場合は、1年に1度その日の移動手段を確保できるかも確認してください。金額の小さな差よりも、この手間の方が負担に感じる人はいます。
任意保険は4ナンバーだから安いとは限らず、同じ条件で見積もりたい
任意保険は、自賠責保険のように一律の金額で比べられません。自家用乗用車では、車の型式ごとにリスクを反映する型式別料率クラスが使われますが、貨物車には同じ扱いが適用されないと保険の解説記事は説明しています。運転者の年齢条件を選べる範囲も、商品によって乗用車と異なる場合があります。
そのため、「4ナンバーは保険料が安い」とも「高い」とも一律には言えません。比べる際は、年齢、等級、運転者の範囲、車両保険の有無、使用目的をそろえて、候補車の車検証情報や型式で見積もりを取ってください。特に若い運転者が乗る場合は、年齢条件の扱いで保険料が大きく変わることがあります。購入の契約前に確認しておくと安心です。
高速料金は同じ普通車だが、後席の余裕と乗り心地は5ナンバーが有利になりやすい
高速道路の料金に差はありません。高速道路の車種区分では、小型自動車は4ナンバー、5ナンバーとも普通車です。中型車になるのは1ナンバーの普通貨物車で、国土交通省の説明でも3ナンバーとの違いが示されています。
日常の使い勝手では、スペック表だけでは見えない差が出ます。プロボックスのガソリン車は、2名乗車なら荷室長1,810mm、最大積載量400kgですが、5名乗車では荷室長1,040mm、最大積載量250kgまで減ります。つまり5人での外出と大きな荷物の運搬を同時にこなす車ではありません。
4ナンバーの多くは積載を前提に設計されており、空荷で後席に人を乗せると、硬さが気になる人もいます(編集部の見解で、車種や個人差があります)。タイヤも貨物用の規格や耐荷重に注意が必要で、見た目のために好きなサイズへ替えにくい点も覚えておきたいところです。家族の送迎が多い人は、購入前に後席へ実際に座って確認してください。
軽自動車の4ナンバーと5ナンバーは、毎年車検の心配がなく比較しやすい
軽自動車でも貨物は4ナンバー、乗用は5ナンバーですが、小型車とは判断の仕方が変わります。軽自動車税は、2015年4月以降に初めて検査を受けた自家用の場合、貨物が5,000円、乗用が10,800円で、差は年5,800円です。車検は初回が貨物2年、乗用3年と異なりますが、2回目以降はどちらも2年ごとで、小型の4ナンバーのように毎年にはなりません。
自賠責保険の区分と継続車検の重量税も同じ基準のため、車検費用による逆転は起きにくい組み合わせです。詳しくは軽貨物の税金と乗用車の比較、軽貨物の車検周期と費用、使い方別の総額は軽バンの維持費の解説で確認できます。
荷物を週に何度も運ぶ人は4ナンバー、後席をよく使う人は5ナンバーが向いている
費用だけで決めると、使い始めてから後悔しやすくなります。次の条件に多く当てはまる方を、第一候補にしてください。
4ナンバーが向いている人
- 工具、商品、資材、趣味の道具などを週に何度も積み下ろしする
- 乗車は1〜2人が中心で、後席を使う機会が少ない
- 毎年の車検を、仕事の予定に無理なく組み込める
- 車検1回の費用を3万円台前半までに抑えられる見込みがある
5ナンバーが向いている人
- 家族の送迎や通勤が中心で、後席に人を乗せる機会が多い
- 大きな荷物を運ぶのは年に数回で、その時だけ車を借りれば足りる
- 車検の手間を減らし、乗り心地や静かさも重視したい
- 年1.7万円程度の差より、用途に合った車内空間を優先したい
仕事で荷物を運ぶ人でも、小型貨物の枠に収まらない車体の大きさや積載量が必要なら、1ナンバーの普通貨物も比較対象になります。ハイエースのナンバーごとの違いはハイエースの維持費とナンバー別の違いが参考になります。小型バンの実用面はプロボックスで後悔しやすい人の条件で詳しく整理しています。
4ナンバーと5ナンバーでよくある質問
個人でも4ナンバーの車に乗れますか?
乗れます。自家用の貨物車として個人で所有し、通勤や買い物に使うことも可能です。ただし、他人の荷物を有償で運ぶ事業には別の手続きが必要で、軽貨物の場合は黒ナンバーの扱いも確認してください。
荷物をほとんど積まない場合も4ナンバーの税金でよいですか?
税額は使い方ではなく、登録された区分と車検証の内容で決まります。ただし、荷物が少なく後席をよく使う人は、安い税額より乗り心地や荷室の過剰さが不満になりやすい点に注意してください。
4ナンバーの車検は必ず毎年ですか?
小型の4ナンバーは、新車から最初が2年で、その後は1年ごとです。中古で買う場合は、すでに毎年の周期に入っていることが多いと考えてください。軽自動車の4ナンバーは2年ごとです。
維持費を最優先するなら、4ナンバーを選ぶべきですか?
車検の費用次第です。法定費用では有利でも、車検1回の費用が約3.5万円を超えると差は消える計算です。任意保険、燃料代、整備費を含めて、候補車ごとの見積もりで判断してください。
荷物優先なら4ナンバー、人を乗せるなら5ナンバーで、迷う場合は使い方を試して決める
結論として、4ナンバーが向いているのは、荷物の積み下ろしが多く、乗車人数が少なく、毎年の車検を負担に感じない人です。5ナンバーが向いているのは、人を乗せる機会が多く、年1.7万円程度の差より快適性と車検の手間の少なさを重視する人です。
判断できない場合は、購入の前に近いサイズの車を数週間使うと、荷室や後席への不満を具体的に確認できます。マンスリーゴーでは1週間または月単位で車を借りられ、2026年11月時点の料金表で軽バンクラスは1ヶ月62,700円(税込、30日計算)、コンパクトクラスも同額です。任意保険と定期メンテナンスを含む料金体系で、カーリースのような与信審査は原則不要です。
一方で、車種やグレードは指定できず、料金表に掲載されている商用バンは現在のところ軽バンクラスです。購入候補の小型4ナンバー車そのものを試せるわけではなく、通常クラスは2010〜2015年式前後が中心です。利用には23歳以上、免許取得から3年以上などの条件があり、グリーン免許では利用できません。走行距離は通常クラスで30日3,000kmまでで、保険と補償や配車と引取の料金には条件があります。利用の流れを確認のうえ、空車状況はLINEで相談できます。

