残クレ(残価設定型クレジット)は、住宅ローンの審査に影響します。理由は、残クレも金融機関にとっては「借入れ」の一つとして扱われ、住宅ローンの借入可能額を左右する「返済負担率」の計算に組み込まれるためです。ただし、残クレの残債があること自体が審査の否決理由になるわけではなく、返済負担率が基準の範囲内に収まっていれば、通常どおり審査は進みます。この記事では、返済負担率の具体的な基準や、残クレの残高が借入可能額にどの程度影響するか、完済すべきかどうかの判断基準を、公的機関が公開している情報にもとづいて整理します(2026年9月時点の情報です)。あわせて、新たに残クレを組まずに車を確保したい場合の代替手段や、住宅ローンの本審査を控えている時期に気をつけたい点についても解説します。
残クレは住宅ローン審査に影響するが、それだけで融資を断られるわけではない
残クレは住宅ローンの審査に影響しますが、残クレを利用していることを理由に一律で融資を断られるわけではありません。住宅ローンの審査では、申込者の年収に対して、既存の借入れをすべて含めた年間の返済額がどの程度の割合を占めるかが確認されます。この割合が金融機関の基準内であれば、残クレを利用していても審査は通常のプロセスで進みます。逆に、残クレの返済額を含めることで基準を超えてしまう場合は、希望どおりの金額を借りられなかったり、借入可能額が当初の想定より少なくなったりする可能性があります。まず確認すべきなのは、残クレの有無そのものではなく、残クレを含めた年間の返済額が年収に対してどの割合になっているかという数字です。
なぜ残クレが住宅ローンに影響するのか、返済負担率という仕組みで管理されているから
残クレが住宅ローンに影響する理由は、住宅ローンの審査が「返済負担率」という共通の指標で管理されているためです。返済負担率とは、年収に対して1年間に支払う借入れの返済額がどれくらいの割合を占めるかを示す数値で、住宅ローンだけでなく、自動車ローン、教育ローン、カードローンなど、すべての借入れの年間返済額を合計して計算します。住宅金融支援機構が運営する【フラット35】の公式サイトでは、この返済負担率(総返済負担率)の対象に「自動車ローン」や「商品の分割払い」が明記されており、残クレのような分割払いの契約もこの対象に含まれると考えられます(2026年4月1日現在の公表情報)。つまり、住宅ローンの審査担当者は、残クレの支払いを「車を借りている費用」ではなく、「車の購入資金を分割で返済している借入れ」として扱うということです。この前提を理解しておくと、なぜ残クレの残高が住宅ローンの借入可能額に関わってくるのかが把握しやすくなります。
フラット35の基準で見る、残クレの残高が借入可能額に与える影響
【フラット35】の公式サイトによると、総返済負担率の基準は、年収400万円未満の場合は30%以下、年収400万円以上の場合は35%以下と定められています(2026年4月1日現在)。この基準を年収別に整理すると、以下のようになります。
| 年収 | 総返済負担率の基準 | 年間返済額の上限(目安) |
| 300万円 | 30%以下 | 90万円 |
| 400万円 | 30%以下 | 120万円 |
| 500万円 | 35%以下 | 175万円 |
| 700万円 | 35%以下 | 245万円 |
例えば年収500万円の方であれば、住宅ローンを含めたすべての借入れの年間返済額を175万円以内に収める必要があります。ここに月々2万円(年間24万円)の残クレの支払いがある場合、住宅ローンに充てられる年間返済額は151万円程度に減ることになります。実際の借入可能額は金利や返済期間によっても変わるため、この数字はあくまで目安ですが、残クレの返済額がそのまま住宅ローンの借入可能額を圧迫する仕組みは、こうして数字で確認できます。なお、この基準はフラット35が公表している基準であり、民間銀行の基準はそれぞれ異なるため、利用を検討している金融機関の窓口で最新の基準を確認することが欠かせません。
残クレの残高は、どのように金融機関に伝わるのか
残クレの残高は、申込者本人が住宅ローンの申込書に記載する借入状況の欄で金融機関に伝わるほか、指定信用情報機関に登録された取引情報を通じても確認されます。指定信用情報機関のCICは、クレジット会社やローン会社などの加盟会員から、契約時に登録される「クレジット情報」や、利用状況を示す「利用記録」が登録される仕組みを公式サイトで公開しています。残クレを提供する信販会社の多くはこうした信用情報機関に加盟しているため、残クレの契約内容や毎月の支払い状況も、通常のローンと同様に信用情報として記録されている点は理解しておく必要があります。申込書への記載を省略しても、金融機関側の照会で残高が判明することがあるため、残クレの状況は正確に申告することが前提になります。なお、指定信用情報機関にはCICのほかにJICC(日本信用情報機構)もあり、住宅ローンを扱う金融機関は、こうした複数の機関の情報を照会して審査を行っています。
残クレを完済してから住宅ローンを申し込むべきか、残したまま進めるべきか
残クレを完済すべきかどうかは、現在の返済負担率が住宅ローンの基準に対してどの程度の余裕があるかによって判断が変わります。返済負担率の基準に対して数値上の余裕が大きい場合は、残クレを残したまま住宅ローンを申し込んでも、希望する借入額に届く可能性があります。一方、基準ぎりぎり、または基準を超えてしまう場合は、残クレを完済することで返済負担率の計算対象から外れ、住宅ローンに充てられる年間返済額を増やせる可能性があります。ただし、残クレの残価部分をまとめて完済するにはまとまった資金が必要になる場合があり、その資金を住宅購入の頭金に回せなくなる、というトレードオフも生じます。完済によって頭金が減り、結果的に住宅ローンの借入額そのものが増えてしまうケースもあるため、完済の判断は、返済負担率の改善効果と、頭金に使える資金のどちらを優先するかを具体的な金額で比較したうえで決めることが大切です。目安としては、返済負担率が基準まで数%以上の余裕がある場合は残したまま進めても問題になりにくく、基準まで1〜2%程度しか余裕がない場合は、完済または借入額の見直しを先に検討したほうが安全です。
残クレを組んだままにするか完済するかで迷う場合は、総額シミュレーションで比較した記事や、残クレとの相性を診断した記事もあわせて確認すると、判断の材料が増えます。
住宅ローンの審査中や申込み直前に、新しく残クレを組むのは避けたい
住宅ローンの審査が進んでいる期間や、申込みを控えている時期に、新たに残クレで車を購入することは避けたほうが安全です。新しい残クレの契約は、その時点でまだ返済実績がなくても、契約が成立した時点で返済負担率の計算対象に加わります。住宅ローンの本審査では、事前審査の時点と状況が変わっていないかが改めて確認されるため、事前審査の通過後に新しい借入れが増えると、本審査で借入可能額が見直されたり、審査そのものに時間がかかったりする可能性があります。車の乗り換えを検討している場合でも、住宅ローンの契約が完了するまでは、大きな新規の借入れを増やす判断を先送りしたほうが、住宅ローンの審査への影響を避けやすくなります。同じ理由で、住宅ローンの本審査の直前にクレジットカードの分割払いやキャッシングを増やすことも避けたほうが安全です。事前審査から本審査までの期間は、新たな支出や借入れを増やさず、現状を維持することが基本的な考え方になります。
残クレを新たに組まずに、必要な期間だけ車を確保する方法もある
住宅ローンの審査への影響を避けながら、どうしても車が必要という状況であれば、残クレのような分割払いの借入れを新たに増やさずに、必要な期間だけ車を利用する方法も選択肢になります。マンスリーゴーのような長期専門のレンタカーサービスは、車両の購入や残クレのような分割金融ではなく、利用期間に応じた料金を都度支払う仕組みのため、新たな借入れとして返済負担率に加わるものではありません。住宅ローンの審査中に今の車の車検や修理のタイミングが重なった場合や、住宅購入後の生活スタイルが固まるまで車種を決めきれない場合に、1週間または1ヶ月単位で利用できます。任意保険や定期メンテナンスは料金に含まれ、カーリースのような与信審査は原則不要で、契約手続きはオンラインで完結します。空車状況や見積もりはLINEから相談できます(2026年9月時点、東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城対応)。ただし車種の指定はできず車両クラスでの提供となり、配車・引取の料金や対応可否は場所や距離によって異なるため、詳しい条件は公式サイトで確認したうえで利用を検討してください。
結局、残クレがあっても住宅ローンをあきらめる必要がない人が多い
残クレの残高があっても、返済負担率の基準内に収まっていれば、住宅ローンをあきらめる必要はない人がほとんどです。逆に、返済負担率がすでに基準に対して余裕がない状態で、さらに残クレの負担が重なっている場合は、完済や借入額の見直しを先に検討したほうが、無理のない住宅ローン計画につながります。住宅ローンの申込みを控えている場合は、まず現在の残クレを含めたすべての借入れの年間返済額を書き出し、希望する金融機関の返済負担率の基準と比較することから始めるのが確実な進め方です。
向いているのは、返済負担率が基準に対して数%以上の余裕があり、残クレの返済額を含めても希望する借入額に届く人です。一方、返済負担率が基準ぎりぎりで、かつ数年以内に残クレの更新や乗り換えも控えている人は、住宅ローンの計画と車の計画を同時に進めず、どちらを先に決めるかという順番から見直したほうが、後から借入可能額の想定が崩れる事態を避けやすくなります。
残クレと住宅ローンについてよくある質問
残クレが残っていても住宅ローンは組めますか?
組めます。残クレの残高があること自体は否決理由ではなく、返済負担率の基準内であれば通常どおり審査が進みます。ただし基準ぎりぎりの場合は、借入可能額が想定より少なくなることがあります。
残クレを完済すれば住宅ローンの借入額は必ず増えますか?
増える可能性はありますが、必ずではありません。完済に頭金の資金を使うことで、結果的に住宅ローンの借入額が増えにくくなる場合もあるため、資金の使い方を比較して判断する必要があります。
残クレの支払いを住宅ローンの申込書に書かなくても大丈夫ですか?
正確に記載する必要があります。信用情報機関に登録された取引情報から残高が判明することがあり、記載内容と食い違うと審査に影響する可能性があります。
住宅ローンの事前審査後に車を買い替えても問題ありませんか?
新たな残クレやローンを組むと返済負担率が変わるため、本審査に影響する可能性があります。住宅ローンの契約が完了するまでは、大きな新規の借入れは避けたほうが安全です。
年収に対して残クレの返済額がどれくらいだと影響が大きいですか?
明確な線引きはありませんが、残クレの年間返済額が年収の数%を占める場合は、住宅ローンの借入可能額に無視できない影響が出やすくなります。フラット35の例では年間返済額の上限が年収の30〜35%であるため、残クレの返済額が増えるほど、住宅ローンに使える残りの枠は狭くなります。気になる場合は、年収・残クレの年間返済額・希望する借入額の3つを書き出し、金融機関の窓口やシミュレーションで具体的な数字を確認することをおすすめします。住宅ローンの審査への影響を避けながら、どうしても一定期間だけ車が必要という場合は、残クレのような新たな借入れを増やさずに利用できるマンスリーゴーも選択肢のひとつです。1週間または1ヶ月単位で利用でき、任意保険・定期メンテナンスを含む料金体系で、カーリースのような与信審査は原則不要です。契約手続きはオンラインで完結し、配車・引取にも対応しています。ご利用には23歳以上、免許取得から3年以上などの利用条件があり、グリーン免許の方はご利用いただけません。車種の指定はできず、配車・引取の料金や対応可否は場所・距離・時間によって異なります。料金・在庫・補償・配車条件は変更される場合がありますので、詳しくは公式サイトまたはLINEでご確認ください。

