残クレ(残価設定型クレジット)で車を買う人の割合は、どの調査を見るかによって大きく変わります。日本自動車工業会の調査では、新車購入者全体のうち残クレ・据置型ローンを選んだ人は1割台半ばです。一方、トヨタファイナンスの契約データでは、自動車ローンを利用した人だけに限ると73%が残クレを選んでいます。つまり、車を買う人全体では少数派ですが、ローンを選んだ人の中では多数派という状態です。この違いを知らずに「みんな使っているから普通」あるいは「特殊な人しか使わない」と判断すると、自分の状況とズレた基準で残クレを選んでしまいます。この記事では、公開されている調査データをもとに、割合の正しい読み方と、自分が残クレを検討する際に見ておきたい基準を整理します。記載内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。
残クレで車を買う人の割合は、見る対象によって1割台半ばから7割超まで変わる
残クレの利用割合を答える調査は、大きく2種類あります。ひとつは新車購入者全体を対象にした調査で、現金一括購入や通常のローンを含むすべての購入方法から残クレの位置づけを見ます。もうひとつは自動車ローンを選んだ人だけを対象にした調査で、現金一括を除いたうえで残クレと通常の分割払いの内訳を見ます。同じ「割合」という言葉でも、分母が違えば数字は大きく変わります。まずは主な2つの調査の数字を並べて確認します。
| 調査 | 対象 | 残クレ利用率 |
| 日本自動車工業会(2025年度乗用車市場動向調査) | 新車購入者全体(現金一括を含む) | 1割台半ば |
| トヨタファイナンス(2023年1〜12月契約分) | 自動車ローン利用者(現金一括を除く) | 73% |
この2つの数字は矛盾しているわけではありません。日本自動車工業会の調査は現金一括で買った人も含めた全体の中での位置づけであり、トヨタファイナンスのデータはすでにローンを選んだ人の中での位置づけです。現金一括で買う人がどれくらいいるかで、全体に対する残クレの割合は大きく下がります。次の見出しから、それぞれの調査の内容をもう少し詳しく見ていきます。
日本自動車工業会の調査では、新車購入者の1割台半ばが残クレ・据置型ローンを選んでいる
この調査は、一般社団法人日本自動車工業会が2025年9月5日〜9月22日にWEB方式で実施した「2025年度乗用車市場動向調査」を根拠にしています。対象は単身世帯を含む全国の一般世帯で、自動車保有世帯では直近の購入車の主運転者が回答しています。この調査によると、新車の購入方法で最も多いのは「現金一括」で、「一般のローン/クレジット」と「残価設定・据置型ローン/クレジット」の利用はともに1割台半ばでした。新車の平均購入価格は331万円で、300万円超の購入者が4割強を占めています。
この数字が意味するのは、新車を買う人全体で見ると、残クレを選ぶ人は現金一括や通常のローンを選ぶ人よりも少ないということです。「みんな残クレを使っている」というイメージは、少なくとも新車購入者全体を対象にしたこの調査からは裏付けられません。
自動車ローンを選んだ人だけで見ると、トヨタファイナンス契約者の73%が残クレを利用している
ここで見方を切り替え、現金一括を除いて、自動車ローンを利用した人だけに限って集計したデータを確認します。トヨタファイナンス(TS CUBIC)の公式情報によると、2023年1月〜12月の契約分で、現金一括を除いた自動車ローンのうち、残価設定型クレジット(残クレ)の利用は73%でした。残りのうち8%は「残額据置き払い」という別の支払い方法で、通常の分割払いなどは残りの割合です。
年収別の内訳も公表されています。年収300万円未満では78%、300万〜600万円未満では78%、600万円以上では72%が残クレを利用しています。
| 年収 | 残価設定ローン | 通常の分割払い・その他 | 残額据置払い |
| 300万円未満 | 78% | 17% | 5% |
| 300万〜600万円未満 | 78% | 17% | 5% |
| 600万円以上 | 72% | 20% | 8% |
年収による利用率の差はほとんどなく、300万円未満でも78%が残クレを選んでいる
一般的には、年収が高い人のほうがローン審査で有利になり、選択肢が広がると思われがちです。しかし、トヨタファイナンスのデータでは年収による差はほとんど見られません。年収300万円未満でも600万円以上でも、残クレの利用率は70%後半でほぼ一定しています。この結果からは、残クレを選ぶ動機が審査の通りやすさではなく、月々の支払額を押さえたいというニーズにある可能性がうかがえます。ただし、これはトヨタファイナンスという一社の契約データにもとづく傾向であり、他のディーラー系・銀行系ローンにも同じように当てはまるとは限りません。
割合の数字が高いか低いかは、残クレが自分に合うかどうかの判断基準にはならない
現在の日本では、新車を現金一括で買う人のほうが残クレを選ぶ人よりも多いというのが全体の傾向です。だからといって、残クレが少数派の人だけの仕組みかというと、そうではありません。自動車ローンを選んだ人の中では7割前後が選んでいる以上、残クレはごく一般的な支払方法の一つです。利用率の高低は、あくまで「選んでいる人の多さ」を表す数字であり、自分の使い方に合うかどうかを保証するものではありません。
判断で重要なのは、他の人がどれくらい使っているかではなく、自分の使い方が残クレの契約条件と合致するかどうかです。日本自動車工業会の同じ調査では、前保有車の平均保有期間は7.2年で、10年超も全体の3割強を占めます。残クレの契約期間は一般的に3年または5年ですから、平均的な保有期間とは2年以上のズレがあります。利用率が高いからといって、自分も同じように乗り換えるとは限らず、逆に利用率が低くても、自分の使い方が契約条件に合っていれば残クレは成立します。
残クレを検討する前に、契約年数と使用年数のズレを確認しておきたい
割合のデータを確認したあとで実際に確認したいのは、自分の年間走行距離と、今の車をどのくらいの期間使いたいかの2点です。残クレの残価は、損傷・事故修復歴がないこと、違法改造をしていないこと、契約で定められた走行距離を超えていないことなどの条件を満たして初めて保証されます。このあたりの具体的な数字や後悔した人に共通する条件は、残クレは本当にやばい?後悔する人に共通する5つの条件と回避策でも整理しています。
もうひとつ確認しておきたいのが、残クレと通常のローン、カーリースを含めた総支払額の比較です。残クレは残価部分にも金利(分割払手数料)がかかるため、月々の支払いが軽く見えても総額では通常のローンを上回ることがあります。見積書の実質年率と支払総額の2つを、通常のローンの見積書と並べて確認することをおすすめします。この比較の考え方は残クレとローンはどっちが得?総額シミュレーションで比較する判断基準でも解説しています。さらにローン、カーリース、残価設定、レンタカーを並列で比べたい場合は、車のローンvsカーリースvs残価設定vsレンタル 完全比較で全体像を確認できます。
購入方法に迷う場合は、契約前に車格を月単位で確かめる選択肢もある
残クレは3〜5年の契約ですから、車両サイズや月間の走行距離の見積もりが外れると、契約満了時の精算金や乗り換えの手間につながります。特に、今より一回り大きいクラスやミニバンへの乗り換えを検討している場合や、通勤・送迎で実際にどれくらい走るのかが読めない場合は、契約前に実車で使い勝手を確かめておくと判断しやすくなります。
こちらでは、月単位で利用できる長期レンタカーを契約前の確認手段のひとつとして位置づけています。マンスリーゴーは1週間または月単位で利用できる長期専門のレンタカーサービスで、任意保険や定期メンテナンスが料金に含まれており、カーリースのような与信審査は原則不要です。契約手続きはオンラインで完結し、空車状況や見積もりはLINEから確認できます。実際に通勤や送迎で一定期間使ってみることで、残クレで想定している車格や走行距離が自分の使い方に合っているかを、数字で確認できます。
結局、残クレは「少数派だから避けるべき」でも「多数派だから安心」でもない
ここまで見てきたとおり、残クレで車を買う人の割合は、新車購入者全体で見るか、自動車ローン利用者だけで見るかで大きく変わります。日本自動車工業会の調査では1割台半ば、トヨタファイナンスの契約データでは73%でした。どちらの数字も正しく、見ている対象が違うだけです。
判断の中心におくべきは、周りの利用率ではなく、自分の年間走行距離、今の車を使いたい期間、そして見積書の実質年率や支払総額です。これらの数字を通常のローンやカーリースと比べたうえで、契約条件に自分の使い方が合いそうだと判断できるなら、残クレは選択肢として成立します。一方で、走行距離が多い、同じ車に7年以上乗りたい、数年先の生活変化が読めないといった人は、残価の精算や中途解約のリスクを先に比較したほうが、後から支出に驚くことは少なくなります。
残クレの利用割合についてよくある質問
残クレを利用している人は少数派なのでしょうか
新車購入者全体で見れば少数派です。日本自動車工業会の調査では1割台半ばで、現金一括で買う人のほうが多数です。ただし、自動車ローンを選んだ人の中では多数派で、トヨタファイナンスの契約データでは73%が残クレを利用しています。
年収が低いと残クレを利用しにくくなりますか
トヨタファイナンスのデータでは年収による差はほとんどありません。年収300万円未満では78%、600万円以上では72%が残クレを選んでおり、審査の可否よりも月々の支払額を押さえたいというニーズが優先されている可能性があります。
なぜ調査によって割合の数字が大きく異なるのですか
分母が異なるためです。日本自動車工業会の調査は新車購入者全体(現金一括を含む)を対象にしていますが、トヨタファイナンスのデータは同社で自動車ローンを契約した人だけが対象です。現金で買う人を含めるかどうかで、数字は大きく変わります。
利用率が高いことは、残クレを選んで後悔しないことを意味しますか
意味しません。利用率の高さは選ばれやすさを示すだけで、走行距離の上限や査定条件を確認しないまま契約すると後悔につながる例があります。契約前の確認ポイントは、残クレは本当にやばい?後悔する人に共通する5つの条件と回避策でも整理しています。
残クレを使わずに、まず車の使い勝手を確かめる方法はありますか
月単位で借りられる長期レンタカーを使えば、実際の通勤や送迎で使いながら、必要な車両サイズと月間の走行距離を数字で確認できます。マンスリーゴーは月額26,400円(税込29,040円)から利用でき、任意保険と定期メンテナンスが料金に含まれます。車種の指定はできず車両クラスでの提供となる点、走行距離は30日で3,000kmまでとなる点はあらかじめご確認ください。
納車待ちや購入検討中に車が必要なときは月単位という選択肢もあります
マンスリーゴーは、1週間または月単位で利用できる長期専門のレンタカーサービスです。任意保険・車検・定期メンテナンス・ETC車載器が料金に含まれ、カーリースのような与信審査は原則不要で、契約手続きはオンラインで完結します。空車状況や見積もりはLINEからご相談いただけます。
ご利用には23歳以上、免許取得から3年以上などの条件があり、車種の指定はできません。走行距離は30日で3,000kmまで(プレミアムクラス車両は1,000km)で、超過分は1kmにつき22円(税込)です。車両クラス別の料金、保険・補償の内容、利用の流れをご確認のうえ、マンスリーゴーまでお問い合わせください。料金・在庫・補償・配車条件は変更される場合があります。

