現代は、車は「買う」より「借りる」方が増えている傾向にあります。
昔は車を所有することが一種の「ステータス」のように考えられていた側面もありましたが、今後はマイカーを手放す人々が増えていくことも予想されています。
車を借りる代表的な手段は、「レンタカー」と「カーシェア」の2つです。
詳しく知らない方からすれば両者の特徴や違いが明確ではないため、いざ利用しようとする場合にどちらが自分に合っているのか判断できないこともあるでしょう。
本記事では、レンタカーとカーシェアの違いについて、メリットやデメリット・選び方を徹底解説します。
レンタカーとカーシェアの基本的な違い
レンタカーとカーシェアの基本的な違いは、どこにあるのでしょうか。
以下では、レンタカーとカーシェアの基本的な仕組みを紹介した上で、利用できる時間や手続き、サービスの違いについて解説します。
レンタカーの基本的な仕組み
レンタカーとは、指定の車種を貸し出す有料サービスを展開している事業、または有料で貸し出された車のことです。
レンタカーのおもな特徴は、以下のとおりです。
料金について 借りた日数または時間に応じて料金を支払います 契約期間を超えた場合、超過料金が発生します。 ガソリンについて 基本的に、返却時はガソリンを満タンにしてください。 返却場所について 基本は借りた場所に返却します(※乗り捨て可能な場合もあります)。 車検証について 車検証の使用者欄にはレンタカー会社名が記載されます。 運転者の免許証提示について 予約時に運転する可能性がある全員が運転免許証を提示する必要があります。 |
カーシェアの基本的な仕組み
カーシェアとは、会員登録することで所定の車を共同利用するサービスです。
カーシェアのおもな特徴は、以下のとおりです。
料金について 借りた時間に応じて料金を支払います。 会員登録 利用には免許証が必要で、会員登録が必須です。 スピーディーな利用開始 最短3分で利用を開始できます。 給油の必要なし 給油は不要です。 運転者の登録 運転者はWeb上から簡単に登録できます。 返却について 基本的に、乗り捨てはできません。 |
利用できる時間や手続き・サービスの違い
レンタカーとカーシェアは、両者ともに車を貸し出すサービスという点で共通しています。
では、どのような相違点があるのでしょうか。
レンタカーとカーシェアの違いについて、「利用できる時間」「手続き」「サービス」の3点に着目して解説します。
レンタカー | カーシェア | |
---|---|---|
利用できる時間 | 24時間365日利用可能なものの、出発と返却営業時間内に行う必要がある(24時間営業の営業所もあり)・数時間または日単位で利用できる | ・24時間365日・レンタカーより短時間利用(15分など)が可能 |
手続き | ・利用機会ごとに所定の手続きが必要(免許証提示は毎回必要)・基本的に対面手続きが必要 | 会員登録さえしていけば、手続き不要で予約のみで好きなときに利用できる(免許証提示は初回のみ必要)・対面手続きは不要 |
サービス | ・レンタカー会社のスタッフが車内清掃した状態の車を利用できるため、車内が綺麗・乗り捨て利用ができることが多い | ・ガソリンを満タンにして返す必要がない・利用開始1分前まで無料キャンセルが可能な場合がある |
レンタカーとカーシェアの基本的な仕組みを解説したところで、次章ではレンタカーとカーシェアのメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。
レンタカーのメリットとデメリット
カーシェアと比べて、レンタカーのメリット・デメリットはどのような点にあるのでしょうか。
レンタカーのメリットとデメリットについて解説します。
レンタカーのメリット
レンタカーのおもなメリットは、以下のとおりです。
- 車種が豊富で、使用目的に合わせて選べる
多くのレンタカー会社は豊富な車種を提供しており、業種や使用目的に合わせて自由に車種を選べます。
また、マイカーとして購入できないような高級車に乗ることも可能です。
色々な車種に乗りたい方にレンタカーはおすすめです。
- 長時間利用において、コストパフォーマンスがよい
レンタカーの料金体系は暦日制または時間制で、ある程度長期で利用したい方向けの料金設定となっています。
数時間または日単位で利用したい場合は、カーシェアと比較すると安く利用できる可能性が高いといえます。
- 会員登録する必要がない
レンタカーはカーシェアのように、会員登録の手続きは必要がありません。
利用したい場合は、インターネットまたは営業所に立ち寄って所定の手続きを済ませることですぐに利用できます。
- 主要駅周辺にあることが多い
レンタカーは、主要駅や空港周辺に営業所を構えることが多くなっています。
おもに旅行などで利用する場合は、現地に到着してすぐに利用できるため便利です。
- 安心安全な利用できる
スタッフによって、定期的にメンテナンスされている車を利用できるため、安心して利用できます。
また、車内清掃もされているため、清潔な状態が保たれた車を利用できます。
- 乗り捨てができる
レンタカーの乗り捨てとは、出発地とは違う目的地にレンタカーを返却できるサービスです。
乗り捨て利用ができれば、移動手段の一つとしてレンタカーを利用できます。
たとえば、行きはレンタカーで目的地へ移動して、帰りは鉄道を利用するなども可能となります。
レンタカーのデメリット
レンタカーについて、メリットだけではなくデメリットも知っておくと利用する前に対策を練れます。
以下では、レンタカーのおもなデメリットについて解説します。
- 予約と返却時に手続きが必要になる
レンタカーは予約と返却時に所定の手続きが必要です。
営業所の営業時間内に返却する必要がありますが、24時間営業している営業所は少ないため、時間の融通がきかないといえます。
また、事前にインターネットで手続きを済ませておかないと利用前に手続きが必要なので、すぐに出発できないのもデメリットといえるでしょう。
- 借りられる場所が限られている
レンタカーを借りる場合は、基本的にレンタカーの営業所まで足を運ばないといけません。
もし、営業所が少ない地域のお住まいであれば、レンタカーを利用することが不便だと感じてしまう方もいるでしょう。
- ガソリンを満タンで返却しないといけない
レンタカーを返却する前は、営業所近くのガソリンスタンドによって満タンにして返却しないといけません。
返却時は、ある程度の時間の余裕を持った行動が必要です。
- 短時間だけ利用したい場合には向かない
レンタカーは、ある程度長時間利用することを想定した料金設定となっています。
「買い物に行くために30分だけ利用したい」といったように分単位で利用すると、カーシェアと比較して料金が高くなります。
短時間だけ利用したい場合、レンタカーは向いていません。
カーシェアのメリットとデメリット
レンタカーと比べて、カーシェアのメリット・デメリットはどのような点にあるのでしょうか。
カーシェアのメリットとデメリットについて解説します。
カーシェアのメリット
カーシェアのおもなメリットは、以下のとおりです。
- 短時間の利用に向いている
カーシェアは分単位(おもに15分)で利用ができるため、ほんの少しだけ車を利用したいときなど短時間の利用に向いています。
短時間の車利用で、少しでもコストを抑えたいと考えている方におすすめです。
- 24時間365日いつでも利用できる
会員登録さえしておけば、スマートフォンやパソコンから簡単に予約できて24時間365日いつでも好きなときに利用できます。
また対面手続きは不要で、スマートフォンアプリや専用のカードなどの電子キーで解錠すればすぐに運転できます。
- ガソリンを満タンにして返却しなくてよい
カーシェアではガソリン代も利用料金に含まれているため、ガソリンを満タンにして返却しなくても問題ありません。
カーシェアのデメリット
カーシェアについて、メリットだけではなくデメリットも知っておくと利用する前に対策を練れます。
以下では、カーシェアのおもなデメリットについて解説します。
- 選べる車種や設備が限られている
カーシェアは、選べる車種が軽自動車やコンパクトカーに限られていることが多いといえます。
ただ最近では、高級車に特化したカーシェアサービスなども増えてきています。
- 長時間・長距離利用は割高になりやすい
カーシェアは短時間の利用はおすすめですが、長時間になるとレンタカーを利用したほうがコストを抑えられる可能性が高くなります。
また、カーシェアの利用料金にはガソリン代も含まれています。
長距離を運転すればするほど料金が高くなるため、カーシェアの長時間・長距離利用は向いていません。
- 乗り捨て利用ができない
カーシェアでは、出発したステーションに返却する必要があります。
レンタカーでできるような乗り捨て利用は、カーシェアではできません。
- 他の利用者がいるため、自由に利用できない可能性もある
カーシェアは、特定の車を会員間で共同利用するサービスです。
すなわち、希望する車種を他の会員が利用している間は、利用できません。
また、延長して利用したい場合でも、その後に他の利用者の予約が入っている場合は延長できなくなります。
カーシェアのサービスの特性上、自由に使えない可能性があるのはデメリットです。
- 車内の清潔度は利用者のモラルに委ねられている
カーシェアでは、レンタカーのように利用ごとの車内清掃が入ることがありません。
定期的にカーシェアの会社のスタッフによる清掃・メンテナンスが入る程度です。
車内の清潔度は、利用者のモラルに委ねられています。
レンタカーとカーシェアの料金体系と相場
料金体系は、レンタカーとカーシェアとで異なります。
両者の料金体系と相場について詳しく解説します。
レンタカーの料金体系と相場
レンタカーは、暦日制または時間制を採用しています。
大手のレンタカー会社といわゆる「格安レンタカー」といわれている会社とで料金が異なりますので、以下で紹介します。
紹介するのは、コンパクトカーを利用した場合の時間帯別の料金です。
3時間まで | 6時間まで | 12時間まで | 24時間まで | |
A社 | 4,312円 | 6,160円 | 6,600円 | 8,580円 |
B社 | 不明 | 6,490円 | 7,150円 | 8,910円 |
C社 | 不明 | 7,260円 | 8,030円 | 9,790円 |
D社 | 不明 | 不明 | 3,300円 | 4,950円 |
E社 | 不明 | 不明 | 不明 | 3,740円 |
※A社〜C社:大手レンタカー、D・E社:格安レンタカー
※料金は税込
大手レンタカーを利用すると1日あたり約8,500〜9,700円、格安レンタカーを使うと1日あたり約3,700〜5,000円です。
金額に大きな差がありますが、差が生じるおもな理由は以下のとおりです。
中古車を活用するなど、車のグレードを落としているメンテナンスは自社で行うなどのコスト削減に努めている最低限の補償内容になっているオプションなどをつけていない |
また、日単位や月単位で利用する場合には、特別にパック料金を設定しているレンタカー会社もあります。
レンタカーは長期で利用するほど日単位の料金が割安になるのが特徴です。
レンタカー利用時には、保険の補償内容やオプションについて確認しましょう。
任意保険の補償内容・範囲車両保険は付帯されているのか免責補償はついているのか |
基本プランに付帯されていない場合は、オプションとして追加できます。
料金はレンタカー会社ごとに異なるため、確認しておきましょう。
カーシェアの料金体系と相場
カーシェアを利用するにあたって必要とされるのは、おもに以下の3つです。
初期費用:会員登録時にICカード発行料などで必要(1回きり) 月額基本料金:車を利用していなくてもかかる 基本料金利用料金:利用した時間などに応じてかかる料金 |
※月額基本料金が不要のカーシェア会社もある
※15分や30分単位での利用が基本となっている
以下では、大手カーシェア会社3社の料金を比較します。
初期費用 | 月額基本料金 | 利用料金 | |
A社 | 1,650円※カードレスの場合は0円 | 0〜880円 | <時間料金>220〜440円/15分 <距離料金>20円/km(6時間を超える利用の場合、ナイトパックの場合に発生) |
B社 | 0円 | 0円 | 220円〜/15分 |
C社 | 1,650円 | 0〜880円 | 200円〜/15分 |
※料金は税込
各料金については、会社ごとに目立った大きな差はありません。
どのカーシェア会社を利用しても、ほぼ同じような金額で利用できるでしょう。
ただ、利用料金についてはカーシェア会社ごとに「パック料金」があります。
分単位の料金とパック料金については、安いほうの料金が適用されるようになっていることが多いため、利用する前に確認しておくとよいでしょう。
レンタカーとカーシェアの選び方【シーン別】
ここまでレンタカーとカーシェアの基本的な仕組みやメリット・デメリット、料金体系の違いについて解説してきました。
上記内容を踏まえて、シーン別でレンタカーとカーシェアどちらが便利なのかについて解説します。
短時間の買い物やちょっとした外出にはカーシェアが便利
短時間の買い物やちょっとした外出には、カーシェアが便利です。
15分200円程度で利用できるため、レンタカーを借りるよりコストパフォーマンスがよいといえます。
出発地と目的地が決まっていれば、近くにカーシェアのステーションがあるかどうか確認しましょう。
観光旅行や遠出にはレンタカーがおすすめ
観光旅行や遠出には、レンタカーがおすすめです。
1日以上かけた長時間・長距離運転を予定している場合は、レンタカーのほうが割安になる傾向にあります。
また、家族連れなど大人数で移動する場合には、ミニバンやワンボックスカーなど車種を豊富に取り揃えているレンタカーのほうが適しているといえます。
ビジネス出張や出先での移動に最適な方法
ビジネス出張や出先での移動の場合は、ケースごとに分かれます。
レンタカーがおすすめの場合 | ・長時間・長距離移動・車を利用する頻度が低い |
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カーシェアがおすすめの場合 | ・短時間利用・車を利用する頻度が高い |
レンタカーは利用するたびに、毎回営業所で受付手続きが必要です。
カーシェアは予約さえしておけば、対面手続き不要で利用できます。
もし、車の利用頻度が多くてステーションが近くにある場合は、カーシェアがおすすめです。
最適な方法は状況に応じて変わってくるため、近くのレンタカー営業所やカーシェアステーションの有無などを確認しつつ選ぶようにしましょう。
レンタカーとカーシェアのメリットやデメリットを知り、最適な方法を選びましょう
レンタカーとカーシェアは、どちらもメリットとデメリットがあるため、利用目的や状況に応じて最適な方法を選びましょう。
レンタカーが向いている方は、以下のような方です。
長時間・長距離運転する方さまざまな車種から利用する車を選びたい方乗り捨て利用したい方メンテナンスがきちんとされていて、清掃が行き届いた車を利用したい方 |
カーシェアが向いている方は、以下のような方です。
短時間利用したい方24時間365日いつでも好きなときに利用したい方返却時にガソリン満タンにする作業が煩わしいと思っている方対面手続き不要で利用したい方 |
本記事を参考にして、レンタカーとカーシェアを上手に活用してください。